ここでは、令和3年度に実施された関西広域連合の製菓衛生師試験について、科目別に私なりの見解で解説をしていきます。
今回は、製菓実技より製パンをみていきます。
よろしければ、令和4年度の製菓衛生師試験勉強のお役に立てればと思います。
【製菓実技・製パン】
問55:中種法の特徴に関する記述について、正しいものの組合せを一つ選べ。
ア ミキシングを2 回行う。
イ 少量の製品をつくる場合に、広く使われている。
ウ 製品の保存性がよく老化が遅い。
エ 工程所要時間が直捏法に比べて短い。
1 ア、イ 2 イ、エ 3 ア、ウ 4 ウ、エ
正解:3
解説:中種法は、パン生地製造を2工程に分けて行う製法になります。これは機械耐性にすぐれ、機械化に適し計画生産、量産化にマッチしている工場向きの製法になります。中種の発酵時間が必要になるので工程所要時間が長い製法となります。
問56:小麦粉の篩掛け(ふるいがけ)に関する記述について、誤っているものを一つ選べ。
1 篩掛けで異物を除去することができる。
2 篩掛けで小麦粉の中に空気を抱き込むことができる。
3 貯蔵中の小麦粉の温度が上がった場合には、篩掛けに放熱効果がある。
4 篩掛けをすると吸水率が減少する。
正解:4
解説:吸水率は、1~2%増加する傾向にあります。
問57:クロワッサンの製造工程の順序として、正しいものを一つ選べ。
1 ミキシング → 発酵 → 大分割 → 冷蔵 → 折り込み → 成形 → ホイロ → 焼成
2 ミキシング → 発酵 → 大分割 → 折り込み → 冷蔵 → 成形 → 焼成
3 ミキシング → 発酵 → 大分割 → 折り込み → ホイロ → 成形 → 冷蔵 → 焼成
4 ミキシング → 発酵 → 大分割 → 冷蔵 → 成形 → ホイロ → 焼成
正解:1
解説:バターの折り込み前に生地を十分冷やすとよいです。
問58:生地分割重量が172g のフランスパンを、生地を残さず100 個つくる場合、使用する小麦粉(フランス粉)の重量として、正しいものを一つ選べ。ただし、ベーカーズ・パーセントで表す配合は、小麦粉(フランス粉)100%、パン酵母(イースト)2%、食塩2%、水68%とし、製造工程中の生地のロスはないものとする。また、手粉など作業に必要な小麦粉は別に用意するものとする。
1 5kg 2 10kg 3 17kg 4 18kg
正解:2
解説:ベーカーズパーセントを合計する。
172%(小麦粉100gの配合ならば完成した生地は172gになる。つまり小麦粉重量の1.72倍になる) 必要な生地総量は172g×100個=17200gとなり、1.72で割ると使用する小麦粉の重量が算出できる。17200g÷1.72=10000g=10kgということです。
問59:生地発酵に関する記述について、誤っているものを一つ選べ。
1 発酵には、好気性発酵と嫌気性発酵がある。
2 生地中のでん粉は、酵素の作用で糖に分解され、一部はイーストの栄養源となる。
3 生地中のたんぱく質は、酵素の作用で分解されないので、生地の物理性は変化しない。
4 生地中では、アルコール発酵以外に乳酸発酵も進む。
正解:3
解説:たんぱく質もでんぷんと同様に酵素の作用で分解し、生地の物理性をより伸展性のあるものとします。
問60:パン製造に関する記述について、正しいものを一つ選べ。
1 パン・オ・ノアでは、配合に食塩は使用しない。
2 カイザーゼンメルでは、成形時に専用スタンプで印をつける。
3 ベーグルでは、成形した生地をボイルしてから(茹でてから)ホイロに入れる。
4 イースト・ドーナツでは、ミキシング終了後、生地を発酵させずにすぐに分割・成形して油で揚げる。
正解:2
解説:1については、配合に食塩を使用します。3については、ホイロを取ってからボイルし、焼成します。4については、ミキシング終了後一次発酵(30分)させます。
以上が、令和3年度に関西広域連合で実施された製菓衛生師試験の製菓実技・製パンの解説です。
実際の試験問題は、関西広域連合のHPで公開されています。
実技は、選択問題となります。試験対策をしている中で3分野のうち一番正答率の高い分野を選んで問題を解くことをオススメします。令和4年度の関西広域連合で実施される製菓衛生師試験を受験される方たちに少しでも助けになればと思います。
以下のリンクは、試験対策に活用できるかと思います。
令和3年度製菓衛生師試験問題【関西広域連合】(pdf:346.3KB)
令和3年度製菓衛生師試験解答【関西広域連合】(pdf:18.7KB)
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