ここでは、令和4度に東京都で実施された製菓衛生師試験について、科目別に私なりの見解で解説をしていきます。
今回は、製菓実技・洋菓子をみていきます。
よろしければ、まだ実施されていない令和4年度の製菓衛生師試験勉強や令和5年度の国家試験のお役に立てればと思います。
また令和4年度に実施された製菓衛生師試験について、以下より確認ができます。
●令和4年度東京都製菓衛生師試験の実施について 東京都福祉保健局
●令和4年度東京都製菓衛生師試験合格者受験番号一覧(PDF:105KB)
【製菓実技・洋菓子】
問55:バターケーキに関する記述の組み合わせとして、正しいものを次の中から選びなさい。
A 基本配合は、卵に対して小麦粉、砂糖を同量、牛乳は1/2量を使用する。
B 製法には、シュガーバッター法、フラワーバッター法、オールインワン法がある。
C スポンジ生地などに比べて比重が小さく中心まで火が通りやすいので、220℃の温度で時間をかけずに焼成する。
D 基本配合は、卵に対して小麦粉、砂糖、バターを同量使用する。
1 A と B
2 B と C
3 B と D
4 C と D
正解:3
解説:バターケーキは、小麦粉、バター、砂糖、卵の4種類の材料を等量使用してつくられた菓子に由来します。一般的に、シュガーバッター法、フラワーバッター法、オールインワン法の3つの製法があるのが特徴です。また生地にはほとんど気泡がないため比重が重く熱の伝わりが悪いため、焼成時は約170℃と比較的低温で時間をかけて中心部分まで加熱していきます。代表的な菓子は、パウンドケーキ、マドレーヌ、フィナンシェとなります。
問56:スポンジ生地の製法に関する記述で、誤っているものを次の中から選びなさい。
1 卵の起泡性を利用して焼き上げる。
2 バターを配合する場合の製法は、ポマード状のバターに砂糖を加えて擦り混ぜ、卵を加えながら泡立て、最後に小麦粉を混ぜ合わせる。
3 製法の一部として、卵黄と卵白を別立てにする製法と共立てにする製法がある。
4 基本となる材料は、卵、砂糖、小麦粉である。
正解:2
解説:2について、バターケーキのシュガーバッター法の製法になります。スポンジ生地は、共立て法と別立て法の2種類があります。どちらも油脂は溶かして混ぜ合わせます。この生地は卵の気泡が重要で、共立て法の場合、リュバン状といわれる状態まで泡立てることが特徴です。別立て法では、卵白のメレンゲの状態で生地の良さが決まります。
問57:シュー生地の仕込みに関する記述で、( )に入る語句の組み合わせとして、正しいものを次の中から選びなさい。
シュー生地は( A )を沸騰させた中に小麦粉を加えて火にかけ、充分に練り上げ小麦粉のでんぷんを糊化(α化)させ、さらに( B )を加えてしっかりと乳化させて伸びのある生地を作る。
( A ) ( B )
1 水と油脂 ― 卵
2 水と卵 ― 油脂
3 油脂 ― 水と卵
4 水 ― 卵と油脂
正解:1
解説:シュー生地の基本材料は、バター、水、薄力粉、塩、卵です。小麦粉のたんぱく質(グルテン)と炭水化物(でん粉)の性質を理解していないと失敗の確率が上がる生地です。
問58:メレンゲに関する記述で、正しいものを次の中から選びなさい。
1 イタリアンメレンゲは、泡立てた卵白に、108~112℃に煮詰めたシロップを加え、冷めるまで泡立てたものである。
2 メレンゲは、スポンジケーキ、ダックワーズ、マカロンなどの焼き菓子のみに使用される。
3 メレンゲは、フレンチメレンゲ、スイスメレンゲ、イタリアンメレンゲの3つの製法がある。
4 ムラング・オルディネールとは、フレンチメレンゲやホットメレンゲと呼ばれている。
正解:3
解説:メレンゲは、卵白の起泡性を利用したものです。卵白に加える砂糖の状態によって、メレンゲの名称が変化します。焼き菓子に使用されるメレンゲは数回に分けて砂糖を加えるフレンチメレンゲ、冷菓などに使用されるメレンゲは煮詰めたシロップを加えるイタリアンメレンゲ、メレンゲ菓子に使用されるものは最初に砂糖を全量加えて泡立てるスイスメレンゲが基本となります。
問59:パイ生地(パート・フィユテ)を使用した製品の製品名と意味の組み合わせとして、正しいものを次の中から選びなさい。
( 製品名 ) ( 意味 )
1 アリュメット(allimette) ― 猫の舌
2 ショーソン(chausson) ― スリッパ、サンダル
3 パルミエ(palmier) ― 金融家、金持ち
4 ミルフィーユ(mille-feuille) ― マッチ(棒)、細い棒状の物
正解:2
解説:アリュメットは、マッチ棒。パルミエは、葉の名前。ミルフィーユは、幾重にも重ねたものといった意味になります。
問60:クリームに関する記述で、正しいものを次の中から選びなさい。
1 クレーム・フランジパーヌは、クレーム・パティシエールに泡立てた生クリームを混ぜ合わせたクリームである。
2 クレーム・シャンティイは、生クリームに砂糖を加えて炊き上げたクリームである。
3 クレーム・オ・ブールは、バターを使って作る基本的なクリームでクレーム・ダマンドと混ぜ合わせてタルトなどに使用される。
4 クレーム・ムスリーヌは、クレーム・パティシエールにクレーム・オ・ブールを混ぜ合わせたクリームである。
正解:4
解説:クレーム・フランジパーヌは、クレーム・パティシエールとクレーム・ダマンドを混ぜ合わせたクリーム。クレーム・シャンティは、生クリームに砂糖を加えて泡立てたクリーム。クレーム・オ・ブールは、バタークリームのことです。
以上が、令和4度に東京都で実施された製菓衛生師試験の製菓実技・洋菓子に関する解説となります。実際の試験問題は、東京都のHPで公開されています。(以下にリンク有)
製菓実技・洋菓子は、お菓子の種類が多いため広範囲になるため、基本的な生地やクリームに関する内容を問題にすることが多いです。試験対策としては、代表的なお菓子を把握するよりは、基本的な生地・クリームの製法をしっかりと理解しておくとよいでしょう。
製菓衛生師試験の対策は、過去問題を繰り返し解いていき、出題頻度の高い部分を把握しておくと、ある程度対処できると思います。令和5年度の東京都で実施される製菓衛生師試験を受験される方たちに少しでも助けになればと思います。
以下のリンクは、試験対策に活用できるかと思います。
【東京都HPより】
●令和4年度 東京都製菓衛生師試験・問題(PDF:4,892KB)
●令和4年度 東京都製菓衛生師試験・正答(PDF:50KB)
●令和4年度 東京都製菓衛生師試験・訂正(PDF:123KB)
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