ここでは、令和4年度に実施された関西広域連合の製菓衛生師試験について、科目別に私なりの見解で解説をしていきます。
ここでは、「食品学」を解説していきます。
よろしければ、製菓衛生師試験勉強のお役に立てれば幸いです。
【関西広域連合の製菓衛生師試験状況はコチラから確認できます。】
【食品学】
問19 栄養面からみた食品の人体における三つの機能として、誤っているものを一つ選べ。
1 エネルギーのもとになる。
2 身体の組織の成分になる。
3 身体の働きを調整する。
4 食欲増進に関与する。
正解:4
解説:食品の人体における機能について、「エネルギーのもとになる」栄養素は、糖質、脂質、たんぱく質で、これらの栄養素が発生するエネルギーにより、運動する力、また体温となります。「身体の組織の成分になる」栄養素は、主にたんぱく質と無機質、脂質で人体内で筋肉・血液・臓器・毛髪・爪・骨格・歯牙などの成分となります。「身体の働きを調整する」栄養素は、主にビタミン、無機質で人体内の働きを正常に保ち、発育や健康保持など生理現象を調整しています。
問20 発酵により糖分をアルコールと炭酸ガスにする微生物として、正しいものを一つ選べ。
1 酪酸菌
2 麹かび
3 酵母
4 酢酸菌
正解:3
解説:食品微生物応用食品とは、カビ、酵母、細菌などの微生物を食品に含まれるでん粉や糖、たんぱく質などを分解し、合成し新たな成分を作り上げる働きを利用したもので、発酵食品と呼ばれています。それぞれの利用方法は以下の通りです。カビ類の利用として、麹カビはでん粉を糖化する働きを利用し、青カビはチーズの熟成に利用されています。酵母類の利用として、糖分を発酵してアルコールと炭酸ガスにする性質を利用しています。細菌類の利用として、乳酸菌は糖分を発酵して乳酸をつくる性質を利用し、酢酸菌はアルコールから酢酸をつくる性質を利用し、酪酸菌は糖分を発酵して酪酸をつくる性質を利用し、グルタミン酸は糖と無機窒素から発酵してグルタミン酸をつくる性質を利用し、納豆菌は蒸した大豆に増殖して大豆たんぱく質に作用し消化されやすい納豆をつくります。
問21 主に芳香性を利用する香辛料として、誤っているものを一つ選べ。
1 シナモン
2 ナツメグ
3 ジンジャー
4 オールスパイス
正解:3
解説:香辛料(スパイス類)は、食品の製造において用いる芳香性と刺激性をもった植物または野菜を一般に指し、主に葉・蕾・花・果実・種子・樹皮・根茎その他の部分が利用されています。そして、香辛料は辛味性香辛料と芳香性香辛料の2つに分けることができます。辛味性香辛料は、主にジンジャー、レッドペッパー、わさびなどがあります。芳香性香辛料は、主にオールスパイス、ナツメグ、シナモン、メース、クローブ、キャラウェー、カルダモン、アニス、コリアンダー、ジル、フェンネル、ローレルリーフ、ハッカなどがあります。
問22 ゲル化剤とその原料の組合せで、正しいものを一つ選べ。
1 寒天 ― つのまた
2 カラギーナン ― てんぐさ
3 ゼラチン ― かんきつ類の果皮
4 ペクチン ― りんごの搾りかす
正解:4
解説:ゲル化剤(凝固剤)は、組織を凝固する性質を利用したもので、製菓材料として寒天、ゼラチン、ペクチン、カラギーナンがあります。「寒天」は、海藻の紅藻類であるテングサ、オゴノリ、ヒラクサを原料としています。「カラギーナン」は、海藻の紅藻類であるスギノリ、ツノマタを原料としています。「ゼラチン」は、牛、豚、鯨、うさぎなどの真皮や結合組織中にある繊維状たんぱく質及び骨の中にあるオセインを分解精製しています。「ペクチン」は、果実や野菜類などを原料としています。
問23 次のうち、CA貯蔵(controlled atmosphere storage)が多く利用されている食品として、最も適切なものを一つ選べ。
1 肉類
2 果実類
3 魚介類
4 種実類
正解:2
解説:CA貯蔵とは、貯蔵庫内の空気を、人工的に酸素2~10%、二酸化炭素を0~10%の濃度に変え、0~8℃程度の低温で野菜・果実を貯蔵する方法で、ガス冷蔵法ともいいます。空気中のガス組成を変えることで、果実や野菜の細胞の呼吸速度は著しく低下し、成熟の進行が遅くなり水分の発散も少なくなるため、微生物等の増殖も抑えられるので、新鮮な状態を長く保つことができる保存方法です。
問24 特定原材料としてアレルゲン表示が義務づけられている食品として、誤っているものを一つ選べ。
1 アーモンド
2 小麦
3 落花生(ピーナッツ)
4 そば
正解:1
解説:アレルゲンとなりうるものについて、「特定原材料(7品目)」は、卵、乳、小麦、そば、落花生(ピーナッツ)、えび、かにが指定されています。次に「特定原材料に準ずるもの(21品目)」は、アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、さけ、さば、大豆、鶏肉、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン、バナナ、カシューナッツ、ごまが指定されています。
以上が、令和4年度に関西広域連合で実施された製菓衛生師試験の食品学の解説です。
食品学は、食品に関する栄養素やアレルゲンといった内容が問われることが多いです。今回は、主に香辛料やゲル化剤といった製菓ではサポート役となる食材が出題されました。発酵に関しては、主にパンの分野となりますが、酵母菌は膨張剤の分野となるので、和菓子でも洋菓子でも抑えておくとよいでしょう。
食品学では、食材の貯蔵方法に関しても問われてきます。今回出題された「CA貯蔵」は、出題頻度が高いのでしっかりと抑えておくとよいと思います。最後に出題されたアレルゲンに関する問題です。特定原材料の7品目は必須ですが、準特定原材料の21品目も食に携わる者として覚えておかなければいけない品目です。
実際の試験問題は、関西広域連合のHPで公開されています。過去問題を繰り返し解いていくことで、出題される問題の傾向が見えてきます。
わたしが解説している過去問題もぜひ参考にしてみてください!
関西広域連合だけでなく他の都府県で実施される製菓衛生師試験を受験される方たちにも少しでも助けになればと思います。
【以下のリンクは、試験対策に活用できるかと思います。】
令和4年度製菓衛生師試験問題【関西広域連合】(PDF:355.6KB)
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