ここでは、令和3年度に実施された東京都の製菓衛生師試験について、科目別に私なりの見解で解説をしていきます。
ここでは、「栄養学」を解説していきます。
よろしければ、製菓衛生師試験勉強のお役に立てれば幸いです。
【東京都の製菓衛生師試験状況はコチラから確認できます。】
www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp
【栄養学】
問33:糖尿病に関する記述で、正しいものを次の中から選びなさい。
1 膵臓から分泌されるグルカゴンの作用不足によっておこる。
2 合併症の1つに、腎症がある。
3 肥満は、1型糖尿病のリスクとなる。
4 2型糖尿病の発症は、若年者に多い・
正解:2
解説:糖尿病は、インスリンが十分に働かないことで、血液を流れるブドウ糖(血糖)が増えておこる病気です。症状として「のどが渇く」「水をよく飲む」「尿の回数が増える」「体重が減る」「疲れやすくなる」「意識障害」などが挙げられます。種類として、1型と2型があり、発症年齢により異なります。インスリンは、肝臓から出るホルモンで、血糖を抑える働きがあります。糖尿病は、心臓病や腎不全、失明といった様々な合併症を引き起こすので、普段の食生活を中心に十分に注意が必要です。
問34:ライフステージの身体的特徴と栄養に関する記述で、誤っているものを次の中から選びなさい。
1 妊娠期は、貧血を予防するために十分な鉄とビタミンを摂取することが望ましい。
2 幼児期は、一生を通して成長のスピードが最も早い。
3 学童期は、食嗜好の基礎が形成される。
4 高齢期は、基礎代謝が低下する。
正解:2
解説:ライフステージとは、人生の一生において節目となる出来事の変化によって段階ごとに区分した生活環境のことをいいます。主に妊娠期、乳幼児期(0~5歳)、学童期(6~11歳)、思春期(12~18歳)、青年期(19~39歳)、壮年期(40~64歳)、高齢期(65歳以上)などに区分しています。
幼児期のころは、基礎となる生活のリズムを身につけるために食の体験を広げることが大切になります。
問35:ビタミンと、関与する主な生理作用に関する組み合わせとして、正しいものを次の中から選びなさい。
(ビタミン) (主な生理作用)
1 ビタミンA ― 血液凝固
2 ビタミンB₁ ― 糖質代謝
4 葉酸 ― 視覚作用
正解:2
解説:ビタミンAは、皮膚や眼の機能保持を担っています。
ビタミンB₁は、末梢神経機能保持を担っています。
ビタミンEは、抗酸化作用・溶血の防止を担っています。
問36:糖質に関する記述で、正しいものを次の中から選びなさい。
1 アミロースは、枝分かれ構造をもつ。
2 乳糖(ラクトース)は、でんぷんの消化過程で生じる。
3 麦芽糖(マルトース)は、多糖類である。
4 単糖類は、消化の課程でさらに小さな単位に分解されることはない。
正解:4
解説:糖質とは、三大栄養素のうちの一つである炭水化物から食物繊維を除いたものの総称を指します。
糖質(でん粉)には、アミロースとアミロペクチンが含まれており、アミロースは直鎖状でアミロペクチンは枝分かれした形をしています。
乳糖は、哺乳類の乳に存在する糖質です。
麦芽糖は、ブドウ糖が2つ結合した二糖類なため単糖類となります。
問37:無機質(ミネラル)に関する記述で、正しいものを次の中から選びなさい。
1 カリウムは、骨塩の構成成分である。
2 リンは、多くが筋肉に含まれる。
3 ナトリウムは、細胞外より細胞内液に多く含まれる。
正解:4
解説:無機質(ミネラル)とは、身体を構成する主要な元素(酸素、炭素、水素、窒素)以外のものを指す総称です。主にカルシウム、リン、カリウムなどがあります。無機質(ミネラル)は、体内で合成できないため食物を摂取することで得ることができます。不足すると欠乏症、接種過多で過剰症や中毒を引き起こします。
カリウムは、神経や心筋の働きを補助する成分です。
リンは、カルシウムやマグネシウムとともに骨や歯を作る役割を担っています。
ナトリウムは、体内の水分量の調整、神経や筋肉を動かす重要な役割を担っています。
問38:たんぱく質及びアミノ酸に関する記述で、誤っているものを次の中から選びなさい。
2 ヒトの必須アミノ酸は、9種類である。
3 食品たんぱく質の栄養価は、含まれる非必須アミノ酸の量で決まる。
4 牛肉のたんぱく質は、精白米のたんぱく質より栄養価が高い。
正解:3
解説:たんぱく質は、アミノ酸が多数結合した高分子化合物です。主に筋肉や臓器などの身体を構成する非常に重要な栄養素です。
このたんぱく質は、20種類のアミノ酸からできており、体内で合成できる11種類のアミノ酸(グリシン、アラニン、グルタミン酸、グルタミン、セリン、アスパラギン酸、アスパラギン、チロシン、システイン、アルギニン、プロリン)と、体内で合成できない9種類のアミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、メチオニン、リジン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)があります。
良質なたんぱく質とは、体内で合成できない必須アミノ酸(9種類)をバランスよく含まれている食品を指します。
問39:脂質に関する記述で、正しいものを次の中から選びなさい。
1 脂質は、脂溶性ビタミンの腸管吸収を抑制する。
2 飽和脂肪酸の過剰摂取は、血中コレステロール値を低下させる。
4 エイコサペンタエン酸(イコサペンタエン酸)は、動脈硬化を抑制する。
正解:4
解説:脂質は、3大栄養素のうちの一つです。細胞膜やホルモンの構成成分として重要な役割を担っています。脂肪酸は、飽和脂肪酸(肉や乳製品などの脂)と不飽和脂肪酸(植物や魚などの油)に分けられます。
脂質は、不足するとエネルギー不足、ホルモンバランスの乱れ、体力低下などお引き起こします。逆に摂取しすぎると、動脈硬化、脂質異常症、糖尿病、癌など様々な生活習慣病を発症する恐れがあります。
以上が、令和3年度に東京都で実施された製菓衛生師試験の栄養学の解説です。
食品学の出題数について、東京都は例年6問出題されています。
令和3年度の栄養学は、「糖尿病」「ライフステージ」「ビタミン」「糖質」「無機質(ミネラル)」「たんぱく質」「脂質」が出題されました。
栄養学では、生活習慣病について栄養素の欠乏症を中心に出題されることが多いです。生活習慣病とは、どんな病気を指すのか?それを発症する原因とは何か?を知っておくことは非常に重要です。
3大栄養素(たんぱく質、炭水化物、脂質)に関する内容は、しっかりと理解しておきましょう。またビタミンとミネラルに関することも欠乏症を中心に問われることが多いため把握しておきましょう。
実際の試験問題は、東京都のHPで公開されています。過去問題を繰り返し解いていくことで、出題される問題の傾向が見えてきます。
わたしが解説している過去問題もぜひ参考にしてみてください!
東京都だけでなく他の都府県で実施される製菓衛生師試験を受験される方たちにも少しでも助けになればと思います。
【東京都福祉保健局が公表している過去問題です。】
・令和3年度製菓衛生師試験問題【東京都】(PDF:2,382KB)
・令和3年度製菓衛生師試験正答【東京都】(PDF:44KB)
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