ここでは、令和元年度(平成31年度)に関西広域連合より実施された製菓衛生師試験について、科目別に私なりの見解で解説をしていきます。
今回は、製菓実技の和菓子をみていきます。
よろしければ、令和4年度の製菓衛生師試験勉強のお役に立てればと思います。
【製菓実技・和菓子】
問55:長崎カステラを次の配合で製造する場合、加える薄力粉の重量について、最も適切なものを一つ選べ。
卵 2,400g、糯飴 400g、上白糖 2,600g、蜂蜜 200g、水 約15ml
1 約1,250g
2 約1,750g
3 約2,250g
4 約2,750g
正解:1
解説:焼き物・オーブン物の長崎カステラについて、今回の配合は10斤用になります。製法は、共立て法になります。カステラの場合、焼成工程で「泡切り」を3回行う工程があるので、合わせて把握しておくとよいでしょう。
問56:菓子とその原料について、最もよく使われる組合せとして、誤っているものを一つ選べ。
1 串団子 ― 道明寺粉
2 利久饅頭 ― 薄力粉
3 黄味時雨 ― 上新粉
4 大福餅 ― 糯米
正解:1
解説:串団子の基本配合は、上新粉1,000g、水約900ml、餡と醤油タレになります。
問57:小豆に関する記述の( )に入る数字の組合せとして、正しいものを一つ選べ。
水漬けした小豆は、容積で約(A)倍、重量で約(B)倍となる。
A B
1 2.5 ― 2.0
2 2.0 ― 2.5
3 2.5 ― 3.0
4 3.5 ― 2.5
正解:1
解説:製餡に関する工程のうち、浸漬する場合は小豆に対して約3倍の水を加えることも合わせて把握しておきましょう。その他の工程では、タンニンなどの渋味・苦味成分が出た煮汁を捨てる「渋切り」、小豆を焦がさないように柔らかく煮上げる「本煮」、餡粒子に水を加えて攪拌し餡粒子が沈殿したら上水を捨てる工程を数回行う「水晒し」なども把握しておくとよいと思います。
問58:大福餅の製造工程に用いる手粉について、正しいものを一つ選べ。
1 薄力粉
2 白玉粉
3 上新粉
4 片栗粉
正解:4
解説:大福餅の生地は、糯米、食塩、水を使用してつくります。その際に使用される手粉は「片栗粉」になります。
問59:練羊羹の製造工程に関する記述について、誤っているものを一つ選べ。
1 糸寒天と水を一緒に加熱し、糸寒天が完全に溶けたらグラニュー糖を加える。
2 沸騰して砂糖が溶けたら、並餡と水飴を加えて練る。
3 ヘラ数を少なく、鍋底に力を入れて焦げつかないように練る。
4 練り加減は、木杓子で羊羹をすくって垂らし、円を描いて跡がはっきり見え、自然に消える程度がよい。
正解:2
解説:練羊羹の製法で、沸騰して砂糖が溶けたら加える材料は並餡のみです。水飴は、上がり際に加え、水あめが溶けたら火を止め荒熱が収まれば型に流していきます。
問60:桃山の製法に関する記述について、誤っているものを一つ選べ。
1 冷えた黄味火取餡に、味甚粉を加え、手でよくもみ混ぜる。
2 餡に卵黄とみりんを加えて硬さを調節する。
3 成型した生地の表面にみりんをはけ塗りする。
4 約150℃のオーブンに入れ、弱火で焼き色を平均につけて焼き上げる。
正解:4
解説:桃山を焼成する工程について、オーブンは230℃に設定します。また下火を強くしないで焼成するとよいです。
以上が、令和元年度(平成31年度)に関西広域連合で実施された製菓衛生師試験の選択問題の製菓実技の中から和菓子に関する解説となります。実際の試験問題は、関西広域連合のHPで公開されています。(リンクは下です。)
製菓実技の和菓子は、製餡だけでなく和菓子の分類表から無作為にピックアップされた和菓子の基本配合や製造工程に関する問題がよく出題されます。実務経験のある方にはある程度解きやすい問題といえるでしょう。しかし、製菓衛生師養成施設で勉強をされている方にとっては各和菓子の配合を暗記することは容易ではないと思います。対策としては、過去に出題された和菓子を中心に把握するとよいと思います。また製餡については、製造工程について「なぜそれを行うのか?」をしっかりと把握しておくとよいと思います。今回は出題されていませんが、「配当率」と「含糖率」に関する事項も押さえておきましょう。
この試験の対策は、過去問題を繰り返し解いていくことで、出題頻度の高い部分を把握することで、ある程度対処できると思います。令和4年度の関西広域連合で実施される製菓衛生師試験を受験される方たちに少しでも助けになればと思います。
以下のリンクは、試験対策に活用できるかと思います。
【関西広域連合HPより】
令和元年度(平成31年度)製菓衛生師試験問題【関西広域連合】(pdf:404.7KB)
令和元年度(平成31年度)製菓衛生師試験解答【関西広域連合】(pdf:18.9KB)
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