ここでは、令和4年度に実施された関西広域連合の製菓衛生師試験について、科目別に私なりの見解で解説をしていきます。
ここでは、「製菓実技・製パン」を解説していきます。
よろしければ、製菓衛生師試験勉強のお役に立てれば幸いです。
【関西広域連合の製菓衛生師試験状況はコチラから確認できます。】
【製菓実技・製パン】
問55 デニッシュ・ペストリーの製造に関する記述について、正しいものを一つ選べ。
2 ミキシングが終了した生地を直ちに冷蔵する。
3 折り込み用の油脂は、シート状に冷凍したものを解凍しないで使用する。
4 ホイロの温度は38℃、湿度は85%である。
正解:1
解説:デニッシュ・ペストリーの製造は、クロワッサン生地に準じる製法です。ミキシングが終了した生地は、発酵させたのち冷却します。包み込む油脂は、生地との硬さと温度を同じくらいにする必要があります。ホイロの温度は30℃、湿度75%に設定します。
問56 パン製造に関する記述について、誤っているものを一つ選べ。
1 フランスパンのバタールのクープは、成形直後に3 本入れる。
2 クロワッサンは、折り込み油脂以外に生地配合にも油脂を入れる。
3 パン・オ・ノアは、生地配合にクルミを入れる。
4 ベーグルは、ホイロ後に生地をボイルして(ゆでて)から焼成する。
正解:1
解説:フランスパン(パン・トラディッショネル)はいくつか種類があります。バタールは、クープを3本入れますが、この工程は焼成直前に行います。
問57 パン生地中の酵素のはたらきに関する記述について、正しいものの組合せを一つ選べ。
イ チマーゼはたんぱく質に作用する。
ウ マルターゼは麦芽糖に作用する。
エ アミラーゼはでん粉に作用する。
1 ア、ウ
2 ア、エ
3 イ、エ
4 ウ、エ
正解:4
解説:酵母は、栄養を取り込むために酵素を出して栄養素を分解し吸収しています。この酵素は、全部で6種類あります。「インベルターゼ」は、蔗糖に作用し、ブドウ糖と果糖に分解します。「マルターゼ」は、麦芽糖に作用し、2分子のブドウ糖に分解します。「ラクターゼ」は、乳糖に作用し、ブドウ糖とガラクトースに分解します。「アミラーゼ」は、でん粉に作用し、麦芽糖に分解します。「プロテアーゼ」は、たんぱく質に作用し、アミノ酸とペプチードに分解します。「チマーゼ群」は、発酵性糖分に作用し、アルコールと炭酸ガスに分解生成します。
問58 小麦粉を中種に35kg 使用し、本捏に15kg 使用して、中種法で食パンを作る場合、中種に使用する水の重量として正しいものを一つ選べ。ただし、ベーカーズパーセントで表す中種の配合は、小麦粉70%、パン酵母(イースト2%、イーストフード0.1%)、水40%とする。
1 35kg
2 28kg
3 20kg
4 14kg
正解:3
解説:粉100%と考えると50kgとなります。これに中種用の水が40%なので、50に0.4を掛けてあげることで、水の重量を出すことができます。
問59 次の記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組合せを一つ選べ。
製パンにおける型の比容積は、( A )を( B )で割って得られる値である。
A B
1 型容積 ― 型重量
2 型容積 ― 生地重量
3 生地重量 ― 型容積
4 生地重量 ― 型重量
正解:2
解説:これは製パン工程の「分割、秤量」に関する事項です。比容積は、食型の容積(ml)を生地重量で割って得られた値となります。食型に合わせて生地重量を決めると、型容積÷生地重量=型の比容積となります。
※生地比容積が大きいほど軽い食感になり、小さいほど食感が重くなります。
問60 パンの焼成と冷却に関する記述について、誤っているものを一つ選べ。
1 全焼成時間の最初の25〜30%の間の急激な熱膨張を「窯のび」という。
2 でん粉のα化とグルテンの凝固が進むと、パンの骨格ができる。
3 焼成を終えてオーブンからパンを出すとき、ショックを与えてはいけない。
4 食パンの場合、中心温度が35℃になるまで、自然放熱により冷却する。
正解:3
解説:パンは、オーブンから出す時に、1回ショックを与えます。ショックを与えることにより「腰折れ(ケーブイン)」などを防ぐ効果が得られます。この工程は、パン生地内に閉じ込められた高温のガス、水蒸気、空気が外部に放出させるために行います。
以上が、令和4年度に関西広域連合で実施された製菓衛生師試験の製菓実技・製パンの解説です。
製菓実技・製パンは、製造工程に関する問題で「比容積」に関する問題が出ました。これはパン生地と型の比率をしておく必要がある知識で現場に生かせる良問題と感じました。またベーカーズパーセントの計算問題に関しては、数字がたくさん出ると困惑しがちなので、落ち着いて必要な数字だけをピックアップできるようにすると短時間で解けると思います。
パンの製造工程では、主にミキシング、発酵、分割、焼成の中身を聞いてくることが多いので、全体的に把握して中身を理解しておくとよいでしょう。
最後に、酵母菌の出す酵素について出題されています。これは菓子原材料の膨張剤でも出題される可能性があるので、しっかりと把握しておくとよいと思います。
【あわせて製菓理論もしっかりと抑えておきましょう!】
実際の試験問題は、関西広域連合のHPで公開されています。過去問題を繰り返し解いていくことで、出題される問題の傾向が見えてきます。
わたしが解説している過去問題もぜひ参考にしてみてください!
関西広域連合だけでなく他の都府県で実施される製菓衛生師試験を受験される方たちにも少しでも助けになればと思います。
【以下のリンクは、試験対策に活用できるかと思います。】
令和4年度製菓衛生師試験問題【関西広域連合】(PDF:355.6KB)
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