ここでは、令和3年度に実施された関西広域連合の製菓衛生師試験について、科目別に私なりの見解で解説をしていきます。
今回は、栄養学をみていきます。
よろしければ、令和4年度の製菓衛生師試験勉強のお役に立てればと思います。
【栄養学】
問13:炭水化物に関する記述について、正しいものの組合せを一つ選べ。
ア 糖質は、1g につき9kcal のエネルギーをもつ。
イ 難消化性炭水化物(食物繊維)は、便秘を予防する効果がある。
ウ 炭水化物(糖質)をエネルギーとして消費するには、ビタミンAが必要である。
エ 日本人の食事摂取基準(2020 年版)では、1 歳以上のすべての年齢で、総エネルギーの50~65%を炭水化物から摂取するよう、目標量が示されている。
1 ア、イ 2 ア、ウ 3 イ、エ 4 ウ、エ
正解:3
解説:アについて、1gにつき「4kcal」になります。ウについて、ビタミンB₁やB₂などのビタミンB群が必要となります。
問14:ビタミンとその主な欠乏症の組合せで、誤っているものを一つ選べ。
1 ビタミンB1 ― 脚気(かっけ)
2 ナイアシン ― ペラグラ
3 ビタミンC ― 壊血病
4 ビタミンD ― 口角炎
正解:4
解説:ビタミンDの欠乏症は、「くる病」「骨軟化症」「骨粗鬆症」といった病気を引き起こします。※「口角炎」は、ビタミンB₂の欠乏症になります。
問15:炭水化物の体内での消化吸収に関する記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組合せを一つ選べ。
食物中のでん粉は、唾液( A )および膵液( A )によって( B )に分解される。
( B )は小腸微絨毛表面に局在するマルターゼによって、2 分子のブドウ糖に分解されて腸壁から吸収される。
A B
1 アミラーゼ ― 麦芽糖
2 リパーゼ ― モノグリセリド
3 リパーゼ ― 麦芽糖
4 アミラーゼ ― モノグリセリド
正解:1
解説:でん粉の消化は、唾液や膵液の「アミラーゼ」が行います。アミロースの「アーゼ(消化酵素)」なので、「アミラーゼ」となります。同様に「マルトース」のアーゼ(消化酵素)が「マルターゼ」となります。※「麦芽糖」=「マルトース」
問16:体内のホルモンとその主な作用の組合せで、正しいものを一つ選べ。
1 アドレナリン ― 胃酸分泌
2 インスリン ― 血糖値低下
3 グルカゴン ― 血圧低下
4 ガストリン ― 血糖値上昇
正解:2
解説:インスリンは、「血糖値を下げる」「膵B細胞から分泌される」ことが重要となります。アドレナリンは、「血糖値上昇」「血圧上昇」などの代謝促進のホルモンです。グルカゴンは、「血糖値上昇」のホルモンです。ガストリンは、「胃酸分泌」を促すホルモンです。
問17:無機質に関する記述について、誤っているものを一つ選べ。
1 無機質は、体内では合成されないため食物から摂取する必要がある。
2 カリウムは、主に細胞中に存在し、細胞内液の浸透圧が一定に保たれるように調節する。
3 カルシウムは、体内にある約50%が骨と歯に存在する。
4 鉄は、主に赤血球のヘモグロビン、筋肉のミオグロビン及び肝臓のフェリチンに含まれる。
正解:3
解説:体内カルシウムは、「99%」が骨や歯に存在します。
問18:容器包装に入れられた加工食品(業務用を除く)を対象とした栄養成分表示において、表示が食品表示基準により義務付けられているものとして、誤っているものを一つ選べ。
1 エネルギー(熱量)
2 ビタミン類
3 たんぱく質
4 食塩相当量
正解:2
解説:栄養成分の表示義務は、①エネルギー ②たんぱく質 ③脂質 ④炭水化物 ⑤食塩相当量が対象になります。また、この順番で表示しなければいけません。
以上が、令和3年度に関西広域連合で実施された製菓衛生師試験の栄養学の解説です。
栄養学は、必須アミノ酸やビタミンが不足した時の症状(欠乏症)を中心に問われることが多いと感じます。栄養学では、組み合わせ暗記のキーワードが他の分野よりも多いので、繰り返し過去問題を解きながら覚えていきましょう。
実際の試験問題は、関西広域連合のHPで公開されています。過去問題を繰り返し解いていくことで、問題のクセが見えてきます。令和4年度の関西広域連合で実施される製菓衛生師試験を受験される方たちに少しでも助けになればと思います。
以下のリンクは、試験対策に活用できるかと思います。
令和3年度製菓衛生師試験問題【関西広域連合】(pdf:346.3KB)
令和3年度製菓衛生師試験解答【関西広域連合】(pdf:18.7KB)
Amazon.co.jp: Prime Student - 学生のためのお得なプログラム
Amazon.co.jp: プライム・ビデオ: Prime Video