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食品成分の重要性とは?健康や栄養との関連を解説|食品学・製菓衛生師試験

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|はじめに

 食品成分とは、食べ物に含まれる栄養素や添加物などのことです。食品成分は、私たちの健康や体調に大きな影響を与えます。例えば、ビタミンやミネラルは、免疫力や代謝を高める働きがあります。一方、砂糖や塩は、過剰に摂取すると、糖尿病や高血圧などのリスクを高めます。このように、食品成分は、私たちの健康や栄養と密接に関係しています。ここでは、食品成分の重要性と、健康や栄養との関連について解説します。

 

 

1.食品成分とは?

 食品成分とは、食品に含まれる栄養素や添加物などの物質のことで、食品の品質や安全性、機能性などを決める重要な要素になります。食品成分を知ることで、健康的でバランスの良い食生活を送ることができます。

 

①食品を構成する栄養素と非栄養素について

 ・栄養素:人間の生命活動に必要な物質で、エネルギー源や体の構成要素となるものです。

 ・非栄養素:人間の生命活動に直接関係しない物質で、食品の風味や色彩、保存性などに影響するものです。

 食品学では、食品成分の種類や性質、含有量、消化吸収などを研究し、食品の品質や安全性、栄養価などを評価します。

 

②食品成分は、人間の健康や栄養にどんな影響を与えるのかについて

 以下のように、食品成分は人間の健康や栄養に様々な影響を与えます。

炭水化物:エネルギー源として重要ですが、過剰に摂取すると肥満や糖尿病のリスクが高まります。

脂質:細胞膜やホルモンの原料として必要ですが、飽和脂肪酸トランス脂肪酸は血中コレステロールを上昇させて動脈硬化や心臓病の原因になります。

たんぱく質:筋肉や骨の構成要素として不可欠ですが、摂取量や質によっては腎臓への負担や尿酸値の上昇につながります。

ビタミンやミネラル代謝や免疫機能に関与していますが、不足すると欠乏症や低下した抵抗力を引き起こし、過剰に摂取すると中毒症状やバランスの崩れを招きます。

食物繊維:便通を良くし、血糖値や血圧を下げる効果がありますが、水分摂取量が不十分だと便秘や腹部不快感を引き起こします。

ポリフェノールやフラボノイド:抗酸化作用や抗炎症作用がありますが、個人差や相互作用によっては副作用やアレルギー反応を起こす可能性もあります。

 それぞれの食品成分は、人間の健康や栄養に影響を与えるため、適切な量とバランスで摂取することが大切になります。

 

2.食品成分の種類と特徴

 食品成分の種類と特徴とは、食品に含まれる物質の分類とその性質を示すもので、「水分、たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルなど」に大別されます。

 それぞれの食品成分は、食品の風味や色、形、質感などに影響を与えるだけでなく、人体の生命維持や健康にも重要な役割を果たすため、食品成分の種類と特徴を理解することは、食品の加工や保存、調理などにおける最適な条件や方法を見つけることが可能となります。

 

①食品の一般成分「エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、灰分」について

 食品の一般成分とは、食品を構成する物質のうち、「エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、灰分」の5つの項目を指します。これらの成分は、食品の栄養価や品質を評価するために重要な指標となり、食品の加工や保存にも大きく影響を与えます。

エネルギー:食品に含まれる有機物質が体内で代謝されるときに放出される熱量のことで、カロリー(kcal)やジュール(J)という単位で表されます。エネルギーが高い食品は、体温や運動などに必要な熱量を供給しますが、過剰に摂取すると肥満や生活習慣病の原因になります。

たんぱく質アミノ酸という単位からなる高分子化合物のことで、筋肉や骨、血液、皮膚などの体組織の形成や修復に必要な成分で、酵素やホルモンなどの生体調節物質としても働きます。たんぱく質は、動物性食品(肉、卵、乳製品など)や植物性食品(大豆製品、穀類など)に含まれます。

脂質脂肪酸とグリセロールからなる化合物のことで、エネルギー源としてだけでなく、細胞膜やホルモンの原料としても重要な役割を果たし、脂溶性ビタミン(A,D,E,K)の吸収にも必要です。脂質は、動物性食品(バター、チーズ、ラードなど)や植物性食品(油、ナッツ、種子など)に含まれます。

炭水化物:糖類やでんぷんなどの水素と酸素が1対2の割合で結合した化合物のことで、エネルギー源として最も効率的に利用される成分になり、神経系や脳の働きにも必要です。炭水化物は、穀類やイモ類などの植物性食品に多く含まれます。

灰分:食品中に含まれる無機物質のことで、カルシウムや鉄などのミネラルやナトリウムやカリウムなどの電解質を含みます。灰分は、骨や歯の形成や神経伝達などに関与する成分です。灰分は、乳製品や海藻類などに多く含まれます。

 

②機能を維持するための成分「ビタミン、ミネラル、水分、食物繊維」について

 機能を維持するための成分「ビタミン、ミネラル、水分、食物繊維」について」とは、人間の健康に欠かせない栄養素の一部です。

ビタミン:生体内で合成できないか、または合成量が不足するために食品から摂取する必要がある有機化合物で、代謝や免疫などの生理機能に関与し、欠乏するとさまざまな症状が現れます。

ミネラル:無機元素のことであり、骨や歯の形成や神経伝達などに必要で、マクロミネラルとミクロミネラルに分けられます。クロミネラルは、カルシウムやナトリウムなど1日に100mg以上必要なものであり、クロミネラルは、鉄や亜鉛など1日に100mg未満必要なものです。

水分:人間の体重の約60%を占めるものであり、血液や細胞液などの体液の主成分で、体温調節や老廃物排出などに重要な役割を果たします。

食物繊維:消化酵素によって分解されない植物性の多糖類やリグニンなどのことであり、便通改善や血糖値抑制などに効果があり、水溶性と不溶性に分けられます。水溶性食物繊維は、ゼリー状になって腸内細菌によって発酵されるものであり、不溶性食物繊維は、水を吸収して便量を増やすものです。

 

③食品の成分値について

 食品の成分値とは、食品に含まれる栄養素やエネルギーの量を表す数値で、食品の種類や原料、加工方法、調理方法などによって異なります。食品の成分値を知ることは、健康的な食生活を送るために重要です。

 食品の成分値は、食品表示や栄養成分表などで確認することができます。

食品表示:食品の名称、原材料、内容量、保存方法、賞味期限、栄養成分などを消費者に伝えるために、食品の容器や包装に記載するものです。食品表示は、消費者が安全で健康的な食品選択をするために重要な情報源となるため、食品衛生法JASなどの法律に基づいて規制されており、正確で分かりやすいものでなければなりません。また、消費者が誤解や欺瞞を受けないように、虚偽や誇大な表示は禁止されています。

栄養成分表:食品の100gあたりのエネルギーや栄養素の含有量を表示した表で、食品のパッケージやラベルに記載されていることが多く、消費者が食品の選択や摂取量の管理に役立てることができ、食品の開発や改良、品質管理や安全性評価などにも用いられます。

 栄養成分表には、「エネルギー、タンパク質、脂質、炭水化物、ナトリウム」は必ず表示しなければならない項目です。任意で表示できる項目は、「飽和脂肪酸、糖質、食物繊維、カルシウム、鉄など」になります。栄養成分表に表示する項目や方法は、国や地域によって異なる場合がありますが、食品学の基本的な知識の一つとして、栄養成分表を読み解く能力や作成する技術を身につける必要があります。

 

3.食品成分表について

 食品成分表とは、食品に含まれる栄養素やエネルギーの量を表したもので、食事のバランスや摂取カロリーを管理する際に役立ちます。食品成分表には、一般的な食品や加工食品、外食メニューなどのデータが掲載されていて、厚生労働省日本食品標準成分表研究会などが作成しています。

 

①食品成分表の記載事項について

 食品成分表とは、食品に含まれる栄養素やエネルギーなどの情報を表示したものになるため、一般的に以下のような記載事項があります。

 

【一般的記載事項】

「食品名、内容量、エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、食物繊維、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガンヨウ素、セレン、クロム、モリブデン、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB1ビタミンB2ナイアシンパントテン酸、ビタミンB6、ビオチン、葉酸ビタミンB12、ビタミンC」

 

 食品成分表は、食品の栄養価やバランスを知るために役立つので、健康管理や病気の予防・治療にも参考になります。

【食品成分表を見るときの注意点】

・食品成分表は、一般的な目安であり、個々の食品によって異なる場合があります。

・食品成分表は、100gあたりや1食分あたりなどの単位で表示されているので、自分が摂取する量と比較してみましょう。

・食品成分表は、加工や調理の方法によって変化する場合があります。例えば、油で揚げると脂質が増えたり、水で煮るとビタミンが減ったりします。

 

②「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」について

 食品成分のデータは、日本食品標準成分表としてまとめられており、国立健康・栄養研究所が発行しています。

 日本食品標準成分表は、日本で一般的に消費される食品のエネルギーやタンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルなどの成分を示す表で、栄養摂取基準や栄養表示などに利用されるほか、食事指導やメニュー作成などにも参考にされます。

 日本食品標準成分表は、定期的に見直されており、最新版は「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」として2023年4月に発行されました。この版では、新たに約300種類の食品が追加されたほか、既存の食品の成分も更新されており、新たにポリフェノールやカロテノイドなどの機能性成分やアレルギー物質などの情報も掲載されました。

 「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」は、国立健康・栄養研究所のウェブサイトから閲覧できます。

https://www.mext.go.jp/content/20230428-mxt_kagsei-mext_00001_011.pdf

https://www.mext.go.jp/content/20230428-mxt_kagsei-mext_00001_021.pdf

https://www.mext.go.jp/content/20230428-mxt_kagsei-mext_00001_031.pdf

https://www.mext.go.jp/content/20230428-mxt_kagsei-mext_00001_041.pdf

 

③栄養成分値とエネルギー値の違い

栄養成分値:食品に含まれるたんぱく質、脂質、炭水化物、食物繊維、ビタミン、ミネラルなどの量や種類を表す指標で、人間の健康や生命活動に必要な物質です。

エネルギー値:食品に含まれる栄養成分が体内で代謝されるときに放出される熱量を表す指標です。これは、人間の活動や体温の維持に必要なエネルギーの源です。

【栄養成分値とエネルギー値の違い】

 栄養成分が体内でどのように利用されるかによって決まります。

 例えば、たんぱく質は筋肉や酵素などの構成要素として使われる場合と、エネルギー源として使われる場合があります。同じタンパク質でも、使われ方によってエネルギー値は変わります。また、食品に含まれる水分や灰分などは、栄養成分値には含まれますが、エネルギー値には含まれません。したがって、同じ重量の食品でも、栄養成分値とエネルギー値は異なる場合があります。

 

4.食品成分の摂取の目安と注意点

 食品成分の摂取には、適切な量やバランスが必要です。過剰に摂取すると、副作用や健康障害を引き起こす可能性があります。逆に、不足すると、栄養不足や免疫力の低下などの問題が生じるかもしれません。

 食品成分の摂取の目安と注意点は、食品ごとに異なります。一般的には、日本人の食事摂取基準栄養表示基準などを参考にすることができますが、個人の体質や状態に応じて、医師や栄養士などの専門家に相談することも必要になります。

 

【食品成分の摂取の注意点】

単独ではなく、他の食品成分と相互作用することがあります。例えば、ビタミンCは鉄の吸収を促進しますが、カルシウムは鉄の吸収を阻害します。そのため、食品成分の組み合わせやタイミングにも気を付ける必要があります。

加工や調理によって変化することがあります。例えば、ビタミンCは熱に弱く、水溶性なので、煮物やスープなどに使うと減少します。そのため、食品成分の保存や調理方法にも注意する必要があります。

個人差や体調によって効果や副作用が異なることがあります。例えば、カフェインは覚醒や集中力を高める効果がありますが、過敏性や不眠症などの人には不適切です。そのため、食品成分の自己判断や乱用は避ける必要があります。

 

①食品成分の摂取量の目安について

【食品成分の摂取量「年齢や性別」の違い】

 例えば、カルシウムは、骨や歯の形成に必要な成分ですが、成長期や妊娠・授乳期の女性は、一般的な大人よりも多くのカルシウムを必要とし、また鉄は、血液中のヘモグロビンを作るために必要な成分ですが、月経期の女性や貧血気味の人は、一般的な大人よりも多くの鉄を必要とします。このように、食品成分の摂取量は、年齢や性別に応じて調整する必要があります。

 日本では、厚生労働省が「日本人の食事摂取基準」というガイドラインを定めています。このガイドラインでは、年齢や性別ごとに、各種食品成分の推奨摂取量や上限摂取量を示しています。これらの数値は、科学的な根拠に基づいて決められており、健康的な食生活を送るための目安となります。

【食品成分の摂取量「体格や体重」の違い】

 例えば、体重が重い人は、エネルギー消費が多いため、カロリーやタンパク質などのエネルギー源となる食品成分の摂取量が多くなる可能性があります。逆に、体重が軽い人は、エネルギー消費が少ないため、カロリーやタンパク質などの食品成分の摂取量が少なくなる可能性があります。また、体格や体重とは別に、年齢や性別、運動量や病気などによっても、食品成分の摂取量の目安は変わることがあります。したがって、食品成分の摂取量の目安は、個人の状況に合わせて調整する必要があります。

 

②「日本人の食事摂取基準」について

 日本人の食事摂取基準は、厚生労働省が10年ごとに見直しを行っており、最新版は2020年に発表されています。この基準は、日本人が健康を維持するために必要なエネルギーや栄養素の量やバランスを示したもので、年齢や性別によって異なる栄養素の推奨量や目標量、上限量などを定めており、それらを参考にして、個人や集団の食事状況を評価したり、食事指導や教育を行ったりすることができる。

 食品学の食品成分と日本人の食事摂取基準は密接に関係しており、食品成分の研究によって、食品に含まれる栄養素や有効成分の種類や量が明らかになり、それらが人体に及ぼす影響や効果の結果をもとにして、日本人の食事摂取基準が策定されます。「日本人の食事摂取基準」に沿って、食品学の食品成分を適切に摂取することで、生活習慣病や栄養不足などの予防や改善に役立ちます。

 

③食品成分の過剰摂取による健康リスクや症状などついて

 食品成分は、食品の栄養価や機能性を決める要素ですが、過剰摂取すると健康に悪影響を及ぼす場合があります。

 例えば、ビタミンAは視力や皮膚の健康に必要ですが、過剰摂取すると頭痛や吐き気、肝臓障害などの症状を引き起こす可能性があります。また、ナトリウムは神経や筋肉の働きに必要ですが、過剰摂取すると高血圧や腎臓病などのリスクが高まります。さらに、カフェインは覚醒や集中力を高める効果がありますが、過剰摂取すると不眠や不安、動悸などの症状を引き起こす可能性があります。

 食品成分の過剰摂取は、食品の種類や量だけでなく、個人の体質や状態にもよるため、一般的な目安や推奨量を参考にしつつ、自分の体調やニーズに合わせて調整することが大切になります。また、食品成分の相互作用や相乗効果にも注意する必要があります。

 例えば、ビタミンCは鉄の吸収を促進しますが、同時に銅の吸収を阻害します。また、カフェインはカルシウムの排泄を増加させるため、カルシウム不足になりやすい人は注意が必要です。

 食品学の食品成分は、適切に摂取することで健康に寄与するものですが、過剰摂取すると逆効果になる場合があります。

 

④食品成分の不足摂取による健康リスクや症状などついて

 食品成分は、人間の生命活動や健康維持に必要なものであり、不足摂取するとさまざまな健康リスクや症状が生じる可能性があります。

 例えば、ビタミンやミネラルは、代謝や免疫機能などに関与する重要な物質であり、不足摂取すると貧血や免疫低下、骨粗しょう症などの病気になりやすくなります。また、食物繊維は、腸内環境を整える効果があり、不足摂取すると便秘や大腸がんなどのリスクが高まります。さらに、タンパク質は、筋肉や骨、皮膚などの組織を形成する基本的な物質であり、不足摂取すると筋力低下や老化現象の進行などが起こります。

 食品成分の不足摂取は、偏った食事や食事量の減少、消化吸収障害などが原因で起こります。食品成分の不足摂取を防ぐためには、バランスの良い食事を心がけることが重要となるため、野菜や果物、穀物などの植物性食品を多く摂ることで、ビタミンやミネラル、食物繊維などの必要な食品成分を補うことが大切です。また、肉や魚、卵、乳製品などの動物性食品を適度に摂ることで、タンパク質やカルシウムなどの必要な食品成分を補うことができ、水分や塩分も適切に摂ることで、体液のバランスを保つことができます。

 

⑤「食事バランスガイド」について

 食事バランスガイドとは、日本人の健康を維持するために必要な食品群とその摂取量を示したもので、穀物類、野菜類、果物類、乳製品類、肉・魚・卵・豆類、油脂類の6つの食品群に分けられています。それぞれの食品群は、体に必要な栄養素をバランスよく摂取するために重要な役割を果たしています。

 例えば、穀物類はエネルギー源となる炭水化物やビタミンB群、野菜類はビタミンCや食物繊維、乳製品類はカルシウムやタンパク質などを提供しています。

 食事バランスガイドでは、これらの食品群の摂取量を目安として示しており、一日に必要な量は年齢や性別、活動量などによって異なるため、自分に合った食事を作ることで、健康的な生活を送ることができます。

 

5.食品のエネルギーについて

 食品のエネルギーとは、食品に含まれる栄養素が体内で代謝されるときに放出される熱量のことで、カロリー(cal)やジュール(J)という単位で表されます。食品に含まれる栄養素のうち、エネルギーを供給するものは、炭水化物、脂質、タンパク質の3つです。これらの栄養素は、食品学では「エネルギー栄養素」と呼ばれます。

 

①エネルギー量の表し方について

 食品のエネルギー量は、一般にキロカロリー(kcal)またはキロジュール(kJ)で表されます。

キロカロリー:1kgの水の温度を1℃上げるのに必要な熱量

キロジュール:1kgの物体を1m動かすのに必要な仕事量(1kcalは4.184kJに相当)

食品のエネルギー量:食品に含まれるタンパク質、脂質、炭水化物、食物繊維などの栄養素のエネルギー密度(単位重量あたりのエネルギー量)と含有量によって決まります。

 

②エネルギーを発生させる成分「たんぱく質、脂質、炭水化物」について

 食品に含まれる栄養素のうち、人体にエネルギーを供給するものを指します。

たんぱく質アミノ酸という単位に分解されて、筋肉や酵素などの体の構成要素となります。

脂質脂肪酸とグリセロールに分解されて、エネルギー源となるほか、細胞膜やホルモンなどの生体物質の材料となります。

炭水化物ブドウ糖や果糖などの単糖に分解されて、エネルギー源となるほか、グリコーゲンやデンプンなどの多糖に合成されて、エネルギーの貯蔵形態となります。

 これらの成分は、食品学ではそれぞれの特性や機能に応じて分類されています。

 

③エネルギー計算の方法について

 食品学では、食品成分のエネルギーを計算する方法として、アトウォーター係数法というものがあります。この方法は、食品成分のタンパク質、脂質、炭水化物、食物繊維のそれぞれにエネルギー係数をかけて、その合計を食品のエネルギーとするものです。

 エネルギー係数は、タンパク質と炭水化物は4kcal/g、脂質は9kcal/g、食物繊維は2kcal/gとされています。

 例えば、100gの牛乳に含まれるタンパク質3.3g、脂質3.7g、炭水化物4.9g、食物繊維0gのエネルギーを計算すると、「(3.3×4)+(3.7×9)+(4.9×4)+(0×2) = 66.2kcal」となります。

 このようにして、食品成分から食品のエネルギーを求めることができます。ただし、この方法はあくまで目安であり、実際に消化吸収されるエネルギーとは異なる場合があります。消化吸収率や代謝率などの個人差や食品の調理法などによっても影響されます。

 

④アトウォーター係数とは

 アトウォーター係数とは、食品のエネルギー価を計算するために用いられる係数のことです。

 食品に含まれる主なエネルギー源であるタンパク質、脂質、炭水化物のそれぞれに対して、消化吸収されたときに生じるエネルギー量を表し、タンパク質と炭水化物については4kcal/g、脂質については9kcal/gと定められています。

 これらの値は、食品学の創始者であるアメリカのウィルバー・オーリン・アトウォーター博士が、19世紀末から20世紀初頭にかけて行った人体実験に基づいています。

 

|まとめ

 食品成分とは、食品に含まれる水分、タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルなどの栄養素や有効成分のことです。これらの成分は、私たちの身体の構造や機能を維持したり、エネルギーを供給したりする役割を果たしているため、食品成分の種類や量によって、私たちの健康状態や生活習慣病のリスクが変わってきます。食品学の食品成分を知ることで、健康や美容に役立つ食品を選ぶことができます。しかし、食品学の食品成分だけでは、バランスの良い食事を作ることはできません。

 食品成分データベースは、食品のカロリーや栄養素の量を調べることができるツールで、自分の食事内容や食品選択について見直すことが大切です。自分の食事内容や食品選択を記録して、食品成分データベースと比較することで、自分に必要な栄養素が足りているか、カロリーが過剰か不足かなどをチェックすることができます。

 食品学の食品成分を知るだけではなく、実際に自分の食事内容や食品選択について見直すことで、健康的な生活を送ることができます。

 

 

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