ここでは、令和元年度に三重県で実施された製菓衛生師試験について、科目別に私なりの見解で解説をしていきます。
今回は、食品衛生学をみていきます。
よろしければ、まだ実施されていない令和4年度の製菓衛生師試験勉強のお役に立てればと思います。
また令和3年度に実施された製菓衛生師試験について、以下より確認ができます。
【食品衛生学】
問19:次の食中毒に関する記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。
1 厚生労働省「食中毒統計」によると、平成30年に発生した細菌性食中毒事件数のうち、カンピロバクターによるものが最も多い。
2 ノロウイルスによる食中毒は、冬から春にかけて多く発生する傾向がある。
3 細菌性食中毒予防の3原則は、清潔(つけない)、迅速・冷却(増やさない)、加熱(殺菌)である。
4 有毒きのこは、加熱により安全に喫食することができる。
正解:4
解説:有毒キノコは加熱しても毒性をもちます。
問20:次の寄生虫による食中毒に関する組み合わせのうち、正しいものを1つ選びなさい。
(寄生虫) (原因食品)
1 クドア・セプテンプンクタータ - ヒラメ
2 アニサキス - 豚肉
3 サルコシスティス・フェアリー - ホタルイカ
4 旋尾線虫 - 熊肉
正解:1
解説:主にアニサキスは鯖やイカ、サルコシスティスは馬肉、旋尾線虫は、ホタルイカに寄生しています。
問21:次の腸管出血性大腸菌食中毒に関する記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 潜伏期間は、通常3~5時間程度である。
2 症状は軽く、過去に死亡例はない。
3 腸管出血性大腸菌は、75℃1分間以上の加熱で死滅する。
4 主な原因食品として、カレーやシチューなどが挙げられる。
正解:3
解説:腸管出血性大腸菌の特徴について、潜伏期間は、通常2日~5日です。毒性は、強く死亡例も多数報告されています。感染経路は、主に牛肉からですが、2次感染で様々な食品で発生事例あります。
問22:次のカンピロバクター食中毒に関する記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。
1 数百個程度の菌量で発症することがある。
2 主な症状は、下痢、腹痛、発熱などである。
3 主な原因食品として、未加熱又は加熱不足の二枚貝が挙げられる。
4 カンピロバクターに感染すると、手足の麻痺や顔面神経麻痺、呼吸困難などを起こす「ギラン・バレー症候群」を発症することがある。
正解:3
解説:非加熱または加熱不足の二枚貝が主な原因食品となるのは腸炎ビブリオです。
問23:次の微生物に関する記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。
1 細菌は、食品中の水分活性(Aw)が高い方が増殖しやすい。
2 真菌の一部は、発がん性のあるアフラトキシンを産生する。
3 細菌性食中毒には、感染型と毒素型がある。
4 ウイルスは、一般的に-20℃24時間の冷凍により不活化できる。
正解:4
解説:冷凍では、不活化できません。
問24:次の記述について、()に入る語句として、最も適切なものを1つ選びなさい。
食品の( )とは、主に食品中のたんぱく質が微生物により分解され、アンモニアなどの悪臭が生じる現象である。
1 発酵
2 腐敗
3 変質
4 酸敗
正解:2
解説:食品の腐敗に関する説明です。
問25:次の食品添加物とその用途に関する組み合わせのうち、誤っているものを1つ選びなさい。
(添加物名) (用途)
1 イマザリル - 着色料
2 亜硝酸ナトリウム - 発色剤
3 アスパルテーム - 甘味料
4 亜硫酸ナトリウム - 漂白剤
正解:1
解説:イマザリルは、防カビ剤です。防カビ剤は、イマザリルの他にジフェニル、チアベンダゾール、オルトフェニルフェノール等があります。
問26:次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 低温保持殺菌法(パスツリゼーション)は、80~90℃で5分間加熱する殺菌法である。
2 次亜塩素酸ナトリウムは、ノロウイルスの不活化には、ほとんど効果がない。
3 食品への放射線照射は、日本では、じゃがいもの発芽防止の目的に限り、使用が認められている。
4 逆性石けんは、有機物が存在しても殺菌効果は減少しない。
正解:3
解説:低温保持殺菌法は、60~65℃で約30分かけて殺菌する方法です。ノロウイルスの不活化には、次亜塩素酸ナトリウム溶液が有効です。アルコールは効果がありません。逆性石鹸の殺菌効果は、減少します。そのため、しっかり洗浄してから使用することが重要となります。
問27:次のうち、食品表示法において表示が義務付けられている食品(特定原材料)に該当しないものを1つ選びなさい。
1 いくら
2 落花生
3 卵
4 そば
正解:1
解説:落花生、卵、そば、小麦、乳成分、えび、かに の計7品目が、特定原材料として表示が義務付けられています。
問28:次の食品衛生対策に関する記述のうち、適切でないものを1つ選びなさい。
1 包丁やまな板は、肉、魚、野菜用など別々に使い分ける。
2 手洗いは、作業開始前にのみ行えばよい。
3 食材は、相互汚染が起こらないよう、ふた付きの容器に入れて保管する。
4 食品取扱者は、衛生的な作業着、帽子、マスク等を着用し、装飾品を外す。
正解:2
解説:手洗いは、作業開始前だけでなく、適宜行う必要があります。
問29:次の記述のうち、HACCPの7原則に該当しないものを1つ選びなさい。
1 危害要因の分析
2 重要管理点の決定
3 モニタリング方法の設定
4 製品検査の実施
正解:4
解説:HACCPの7原則は 危害要因の分析、重要管理点の決定、モニタリング方法の設定のほかに、管理基準の設定、改善措置の設定、検証方法の設定、実施記録があります。
問30:次のノロウイルス食中毒に関する記述について、()に入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
ノロウイルスは、(ア)で増殖する。そのため、ノロウイルス食中毒は、感染者の(イ)中に排泄されたウイルスが食品を汚染し、発生することがある。
(ア) (イ)
1 食品中 - 糞便
2 食品中 - 尿
3 ヒトの腸管内 - 糞便
4 ヒトの腸管内 - 尿
正解:3
解説:ノロウイルスは、人の腸管内(小腸)でしか増えることができません。
以上が、令和元年度に三重県で実施された製菓衛生師試験の食品衛生学に関する解説となります。実際の試験問題は、三重県のHPで公開されています。(以下にリンク有)
食品衛生学は、食中毒に関する案件についての問題が多く出題されました。傾向からみると、食中毒でとくに件数の多いものから取り上げられています。近年では、アニサキスという寄生虫による食中毒件数が増加しているためピックアップされています。またHACCPによる衛生管理についてもしっかりと把握しておくとよいでしょう。
製菓衛生師試験の対策は、過去問題を繰り返し解いていき、出題頻度の高い部分を把握しておくと、ある程度対処できると思います。三重県で実施される製菓衛生師試験を受験される方たちに少しでも活用できればと思います。
以下のリンクは、試験対策に活用できるかと思います。
【三重県HPより】
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