ここでは、令和3度に三重県で実施された製菓衛生師試験について、科目別に私なりの見解で解説をしていきます。
今回は、食品学をみていきます。
よろしければ、令和4年度の製菓衛生師試験勉強のお役に立てればと思います。
また令和4年度に実施される製菓衛生師試験について、新型コロナウイルス感染症対策に関しては以下より確認ができます。
【食品学】
問13:次の食品の変質に関する記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。
1 食品の変質に関与する要因には、水、pH、温度、酸素、酵素などがある。
2 細菌等の増殖により、主として食品中のたんぱく質が分解され、有害物質が生成したり悪臭が発生した状態を腐敗という。
3 食品中の水分活性が高くなるほど、微生物は増殖しにくくなる。
4 多くの細菌類は、pH3.0ではほとんど増殖することができない。
正解:3
解説:水分活性(Aw)は、微生物の増殖と食品の水分量との関係を示す指標として用いられています。純水のAwは、「1」で示されます。例えば、水分含量が70~90%の生鮮食品の水分活性は「0.96~0.98」と高いといえます。乾物などの水分活性は、「0.20~0.60」と低いとみることができます。つまり、水分活性がひくくなるほど微生物の影響は受けにくくなり、水分活性「0.60以下」ではほとんどすべての微生物の増殖が阻止されるということが言えます。
問14:次の野菜のうち、緑黄色野菜ではないものを1つ選びなさい。
1 きゅうり
2 かぼちゃ
3 ほうれんそう
4 にんじん
正解:1
解説:緑黄色野菜の基準は、厚生労働省より「原則として可食部100gあたりカロテン含量が600μg以上の野菜」とされています。緑黄色野菜に分類されている野菜は、あさつき・いんげん・オクラ・かぼちゃ・クレソン・ケール・小松菜・サラダ菜・しそ・春菊・セリ・かいわれ大根・チンゲン菜・唐辛子・トマト・ニラ・にんじん・バジル・パセリ・ピーマン・ブロッコリー・ほうれん草・三つ葉・芽キャベツ・モロヘイヤ・わけぎの以上26品となります。緑黄色野菜と間違いやすい野菜としては、きゅうり・ナス・トウモロコシなどで、「表皮の色の濃さ」で判断できないのが緑黄色野菜の特徴でしょう。
問15:次の米に関する記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。
1 米の主成分は、炭水化物である。
2 もち米は、うるち米よりもねばり気がある。
3 精白米は、胚芽精米よりもビタミンB₁を多く含む。
正解:3
解説:精白米は、胚芽などをすべて取り除いた状態のお米で、消化が良く、美味しいがビタミンB₁含有量が極めて少なくなります。精白米のような炭水化物の多い食品では、消化吸収の代謝にビタミンB₁が不可欠です。胚芽精米は、玄米からぬか層を取り除いたお米を言います。胚芽精米のビタミンB₁は、精白米に比べて約4倍も含まれているお米と言われています。また玄米は、お米の外側にあたる「もみがら」を除いただけのお米で精米されていないものを指します。
問16:次の大豆とその製品に関する記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。
1 大豆は、他の豆類に比べてたんぱく質と脂質に富んでいる。
2 大豆は、食肉の代用として使用されることがある。
3 豆腐の凝固剤として、すまし粉やにがりなどが使用される。
4 湯葉は、豆腐を凍結乾燥させたものである。
正解:4
解説:湯葉は、大豆の加工食品の一つです。豆乳を平たい鍋に入れて弱火で加熱し、表面にできた膜を引き上げたものです。生のものと乾燥させたものの2種類があり、たんぱく質や脂肪を多量に含んでいます。
問17:次の食品の保存方法に関する記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。
1 缶詰は、食品を缶に入れて脱気、密封、加熱殺菌したものであり、比較的長期間の保存に適している。
2 塩蔵法は、食品に食塩を添加する方法であり、食塩による脱水作用によって微生物の増殖を抑制する。
3 酢漬法は、酸を添加することでpHを上昇させ、微生物の増殖を抑制する加工方法である。
4 くん煙法は、食品を煙でいぶすことにより、乾燥と煙に含まれる成分によって保存性を高める方法である。
正解:3
解説:酢漬法は、食酢に含まれる酢酸を利用した方法で、主に漬物やマヨネーズがこれにあたります。食品には食酢を利用しますが、酸の添加によりpHを低下させ、微生物の発育を阻止する方法です。食酢には3~4%ほどの酢酸が含まれており、微生物に対して殺菌作用の効果があり貯蔵と調味を兼ねて利用されています。
問18:次の発酵食品とそれに用いる主な微生物の組み合わせとして、正しいものを1つ選びなさい。
1 かつお節 - カビ
2 ヨーグルト - 酵母
3 ビール - カビ
4 納豆 - 酵母
正解:1
解説:発酵食品とは、微生物の作用により、食材の味や栄養価を高めた食品を指します。食品の発行を促す微生物は、細菌・酵母・カビがあります。ヨーグルトは、「細菌(乳酸菌)」で発酵させます。ビールは、「酵母(ビール酵母)」で発酵させます。納豆は、「細菌(納豆菌)」で発酵させます。
以上が、令和3度に三重県で実施された製菓衛生師試験の食品学に関する解説となります。実際の試験問題は、三重県のHPで公開されています。(リンクは下です。)
食品学は、食材に関連する事項がまとめられています。私たちが普段食べている食材の分類と特性・成分だけでなく、その保存方法や腐敗・変敗と発酵の違いなども理解しておく必要があります。また食材の生産と輸出入などの消費・流通の動向も年代別に把握しておくとよいでしょう。
この試験の対策は、過去問題を繰り返し解いていき、出題頻度の高い部分を把握しておくと、ある程度対処できると思います。令和4年度の三重県で実施される製菓衛生師試験を受験される方たちに少しでも助けになればと思います。
以下のリンクは、試験対策に活用できるかと思います。
【三重県HPより】
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