製菓衛生師という資格について考えてみた件

お菓子づくりに製菓衛生師の知識があれば、もっと楽しくなる!!

砂糖の原料をわかりやすく解説|製菓理論(製菓衛生師)

|砂糖の原料について

 

甘蔗(さとうきび

 甘蔗は、熱帯や亜熱帯地域で栽培される、茎から砂糖を取り出すことができる植物です。砂糖を作るためには、収穫したサトウキビを圧搾機で絞り、その汁を濃縮して精製します。

 甘蔗から作られる砂糖は、世界中で最も一般的な種類の砂糖で、風味が豊かで、特に焼き菓子やお菓子などに使用されます。

 日本で広く使用されている砂糖のうち、約60%が甘蔗から作られており、主に沖縄県で生産されていますが、国内の需要を賄うには十分ではなく、主に海外からの輸入に頼っています。

甜菜(ビート)

 甜菜は、西洋原産の一年草で、根菜の一種です。主に欧米で栽培され、砂糖を作るためには、収穫した甜菜を細かく刻み、水と一緒に加熱して煮詰め、精製しています。

 甜菜糖は、甘蔗糖に比べると独特な香りがなく、あっさりとした甘みがあります。日本で広く使用されている砂糖のうち、約40%が甜菜から作られています。

 

|「甘蔗(さとうきび)」と「甜菜(ビート)」に関する日本の生産量と使用量の詳細

 

甘蔗(さとうきび

 日本では、沖縄県が中心となって甘蔗が栽培されています。しかし、日本国内での生産量は非常に少なく、ほとんどが輸入に頼っています。

 主な輸入元は、ブラジルやタイ、オーストラリアなどです。日本においては、主に砂糖の原料として利用されています。

甜菜(ビート)

 日本においては、主に北海道で甜菜が栽培されています。甜菜は、日本国内で砂糖の原料として利用されていますが、その生産量はさとうきびに比べると圧倒的に少なく、輸入砂糖に頼ることが多いです。

 なお、甜菜は日本での生産量が少ないため、主に北海道産の砂糖が「北海道産」として販売されることがあります。

 

 以上のように、日本においては甘蔗(さとうきび)が主要な砂糖の原料となっており、甜菜(ビート)の生産量は限られているため、主に輸入砂糖に頼っている状況が続いています。

|「甘蔗(さとうきび)」と「甜菜(ビート)」で作られた砂糖に違いはあるの?

 

 甘蔗と甜菜から作られた砂糖には、製法や原料の特性による違いがあります。

甘蔗から作られる砂糖(甘蔗糖)

 甘蔗糖は、熱帯地域で栽培される甘蔗を収穫し、圧搾して得られた汁を蒸発させ、結晶化させて作られます。

 甘蔗から作られる砂糖は、色が濃く、風味が豊かで、しっかりとした甘味が特徴です。

甜菜から作られる砂糖(甜菜糖

 甜菜糖は、温帯地域で栽培される甜菜を使用します。甜菜は、甘蔗と比べて収量が高く、栽培が容易なため、ヨーロッパや北米などで主に栽培されています。

 甜菜糖は、甘蔗から作られる砂糖に比べて、色が薄く、風味があまりありません。また、甘蔗から作られる砂糖に比べて、甘味が少し控えめです。

 

注)現在では、甘蔗と甜菜の砂糖を混ぜ合わせたものが一般的に流通しているため、甘蔗砂糖と甜菜砂糖の違いはあまり意識されなくなっています。

|砂糖と日本の関係について

 

 日本では、甘蔗(さとうきび)と甜菜(ビート)の両方が砂糖の原料として使用されています。甘蔗は主に沖縄県や鹿児島県で栽培されており、甜菜は北海道や東北地方、北陸地方で栽培されています。現在、国内で生産される砂糖の大部分は甜菜から作られていますが、甘蔗から作られた砂糖も一定量生産されています。

 今後、環境保護や食の安全性の向上などを目的に、より持続可能で質の高い砂糖の生産に取り組むことが求められています。具体的な取り組みとしては、以下のようなものが考えられます。

無農薬栽培の推進

 農薬の使用を控え、より自然に近い形で作物を育てることで、環境への負荷を減らし、より安全で健康的な原料の生産が可能となります。

持続可能な農業の推進

 砂糖の原料となる甘蔗や甜菜を育てる農家の方々が、長期的に収穫を続けられるような持続可能な農業を推進することが必要です。例えば、土壌の保全や資源の有効活用、エネルギーの効率的な利用などが挙げられます。

原料の多様化

 現在、日本では甜菜と甘蔗が砂糖の主な原料となっていますが、他にも小麦やトウモロコシから作る砂糖など、様々な原料から砂糖を作ることができます。原料の多様化により、地域や気候に合わせた生産が可能となり、より持続可能な砂糖の生産が実現できます。

 

 以上の取り組みを通じて、砂糖の生産において環境保護や健康、社会的な要素を考慮し、より良質で持続可能な砂糖を生産することが重要です。

 

|まとめ

 甘蔗と甜菜は、日本の主要な砂糖原料で、甘蔗は熱帯や亜熱帯地域で生産され、甜菜は温帯地域で生産されます。

 日本の砂糖生産量は少なく、国内需要の大部分を輸入に依存しています。甘蔗由来の砂糖は主に南米や東南アジアから、甜菜由来の砂糖は主に欧州から輸入されています。最近では、国産砂糖の需要も高まっており、国内産の甜菜を原料とする砂糖の生産も行われています。

 今後の取り組みとしては、国内生産を増やすことや、砂糖の輸入量を減らすことが挙げられます。国内生産の増加には、栽培技術の向上や農家の支援、原料の多様化などが必要です。また、砂糖の輸入量を減らすためには、食品メーカーや消費者に対して、国産の砂糖を選ぶよう啓発することも大切です。

 消費者としては、自分が食べている食品にどのような砂糖が使われているかについて意識することが重要です。また、甘味料の多様化が進んでいる現代においては、砂糖以外の甘味料や代替品を試してみることも一つの選択肢となります。

 

seika-riron.hatenablog.com

seika-riron.hatenablog.com

seika-riron.hatenablog.com

seika-riron.hatenablog.com

seika-riron.hatenablog.com