ここでは、令和2年度に実施された東京都の製菓衛生師試験について、科目別に私なりの見解で解説をしていきます。
ここでは、「栄養学」を解説していきます。
よろしければ、製菓衛生師試験勉強のお役に立てれば幸いです。
【東京都の製菓衛生師試験状況はコチラから確認できます。】
www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp
【栄養学】
問33 六つの基礎食品群に当てはまる食品と、主に供給される栄養素及び主な働きに関する組み合わせとして、正しいものを次の中から選びなさい。
(食品) (栄養素) (主な働き)
1 魚、肉、卵、大豆・大豆製品 ― 脂肪 ― エネルギー源となる
2 牛乳・乳製品、小魚 ― カルシウム ― 骨、歯をつくる
3 食用油、バター ― ビタミンC ― 体の機能を調整する
4 米、パン、めん、いも ― 炭水化物 ― 筋肉などをつくる
正解
2
解説
3色食品群を細かく分けたものを6つの基礎食品群としています。
1・2群の食品を「赤色」、3・4群の食品を「緑色」、5・6群の食品を「黄色」のグループに分けられます。
各グループの主な食品と食品に含まれる栄養素の働きは以下の通りです。
1群は「肉・魚・卵・大豆製品」で「骨や筋肉のもとになる」「エネルギーのもとになる」働きがあります。
2群は「小魚・海藻・乳製品」で「骨や歯のもとになる」「体の各機能を調節する」働きがあります。
3群は「緑黄色野菜」で「皮膚や粘膜を保護する」「体の機能を調節する」働きがあります。
4群は「淡色野菜・果物」で「体の機能を調節する」働きがあります。
5群は「穀類・いも類・砂糖」で「エネルギーのもとになる」「体の機能を調節する」働きがあります。
6群は「脂肪を多く含む食品」で「エネルギーのもとにある」「必須脂肪酸の供給源となる」働きがあります。
問34 エネルギー代謝に関する記述で、正しいものを次の中から選びなさい。
1 基礎代謝量は、性・年齢によって影響をうけない。
3 食事誘発性熱産生(食事誘発性体熱産生)は、食物を摂取することで高まる。
4 摂取エネルギーより消費エネルギーが多いと、肥満の原因となる。
正解
3
解説
基礎代謝とは、心身ともに安静な状態のときに生命維持のために消費される必要最小限のエネルギー量のことです。
活動代謝とは、生活をする上での様々な活動で消費されるエネルギー量のこと。
食事誘発性熱産生とは、食事をした後、安静にしていても代謝量が増大することです。
摂取エネルギーと消費エネルギーの関係は、一般にエネルギー摂取量がエネルギー消費量を上回ると肥満に繋がり、下回ると痩せる原因となります。
問35 栄養素の消化・吸収に関する記述で、正しいものを次の中から選びなさい。
1 でん粉は、ブドウ糖(グルコース)に分解されて吸収される。
2 脂肪の消化・吸収には、胃酸が必要である。
3 鉄は、接種した90%が吸収される。
4 水分は、胃で90%吸収される。
正解
1
解説
脂肪は、リパーゼという消化酵素の作用で脂肪酸とグリセリンに分解され、小腸から吸収されます。
鉄は、九州が非常に低く、十二指腸から吸収されます。
水分は、主に大腸で吸収されます。
問36 「食生活指針(2016年一部改訂)」に関する記述で、正しいものを次の中から選びなさい。
1 1日に「何」を「どれだけ」食べればいか、イラストで示している。
2 1日に接種することが望ましいエネルギー及び各栄養素の量の基準を示している。
3 「+10(プラス・テン)」というキャッチコピーを掲げ、今より10分多く体を動かすことを推奨している。
4 食生活の重要性とともに、食料の安定供給、食文化、環境に配慮した目標を示している。
正解
4
解説
食生活指針は、一人一人の健康増進、生活の質の向上、食料の安定供給の確保などを図ることを目的として策定されました。
問37 カルシウムに関する記述で、正しいものを次の中から選びなさい。
1 カルシウムは、微量ミネラルに分類される。
2 カルシウムの腸管吸収は、くる病のリスクとなる。
3 カルシウムの過剰摂取は、くる病のリスクとなる。
4 血中カルシウム濃度が低下すると、骨からのカルシウム溶出は増加する。
正解
4
解説
カルシウムは、体重の1~2%ほど含まれており、体内で最も多く存在するミネラルです。
体内のカルシウムは、99%がリン酸と結合したリン酸カルシウムとして骨や歯などに存在しています。
残りの1%は、血液や筋肉、神経などに存在しています。
カルシウムが不足すると、骨や歯が弱くなり、幼児の場合、発育障害を引き起こします。成人では骨粗しょう症、テタニー(筋肉のけいれん)、てんかん(全身のけいれん)を引き起こします。
問38 高齢期の特徴と傾向に関する記述で、誤っているものを次の中から選びなさい。
1 塩味を強く感じるようになる。
2 消化能力は低下する。
3 嚥下機能の低下は、肺炎のリスクとなる。
4 栄養不足による低栄養に注意する。
正解
1
解説
高齢者の身体的特徴とは、「臓器機能の低下」「予備力・回復力の低下」「恒常性維持機能の低下」「複数の症状や病気を抱えやすい」「ADL能力が低下しやすい」「重篤化しやすい」といった編かが出てきます。
問39 水分の代謝に関する記述で、誤っているものを次の中から選びなさい。
1 体重に占める水分重量の割合は、幼児より成人の方が大きい。
2 呼気や皮膚面から水分が失われる。
3 発汗により体温を調整する。
4 体内で栄養素が燃焼することにより、水が生成される。
正解
1
解説
体内の水の役割は、血液として酸素や栄養素の運搬、尿として老廃物の排出、汗による体温調節を担っています。
成人の平均的な身体の水分量は約60%と言われています。
この水分量は、新生児は約90%、高齢者で約50%と年齢とともに減少していきます。
血液で90%、脳で80%、皮膚や筋肉は70%、脂肪は10~30%が水分です。
男性と女性を比較すると、男性の方が水分量が多いと言われています。
瘦せ型と肥満型では、痩せ型の方が水分量が多いと言われています。
以上が、令和2年度に東京都で実施された製菓衛生師試験の栄養学の解説です。
東京都では、栄養学が7問出題されました。
令和2年度試験の栄養学は、「6つの基礎食品群」「エネルギー代謝」「消化と吸収」「食生活指針」「カルシウム」「高齢期の特徴」「水分のはたらき」でした。
栄養学では、栄養素に関する事項について身体の働きだけでなく、欠乏症を問われる場合があります。
今回は、身体の代謝に関する内容がほとんど出題されました。栄養素を覚えるついでに、身体のはたらきもしっかりと把握しておくとよいでしょう。
実際の試験問題は、東京都のHPで公開されています。過去問題を繰り返し解いていくことで、出題される問題の傾向が見えてきます。
★わたしが解説している過去問題もぜひ参考にしてみてください!
東京都だけでなく他の都府県で実施される製菓衛生師試験を受験される方たちにも少しでも助けになればと思います。
【東京都福祉保健局が公表している過去問題です。】
・令和2年度製菓衛生師試験問題【東京都】(PDF:401KB)
・令和2年度製菓衛生師試験正答【東京都】(PDF:44KB)
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