製菓衛生師という資格について考えてみた件

お菓子づくりに製菓衛生師の知識があれば、もっと楽しくなる!!

#油脂 ~菓子の原材料~

 製菓の原材料として、主となる食材のひとつである「油脂」について、かんたんに解説していきます。

 このページを参考に、油脂のイメージが湧いてくると、より深く油脂の知識が理解でき、自分の脳に定着できると思います。

 

「油脂」とは?

 「油(オイル)」と「脂(ファット)」の総称である。

 名前の区別は「24度」で、この温度帯で液体か固体かで分けている。

 

油脂の構造について

 油脂は、「脂肪酸」と「グリセリン」がエステル結合したものである。

 グリセリン脂肪酸がどんな順番で結合しているかによって、油脂の性質が決まる。

 

油脂の性質とは?

 「可塑性」「クリーミング性」「ショートニング性」「フライング性」「安定性」の

 5つの性質がある。

 

油脂の可塑性とは?

 脂のかたさが、温度の変化によって変わる性質のこと

 

油脂のクリーミング性とは?

 固体脂を攪拌すると、空気を抱き込みながらクリーム状になる性質のこと

 

油脂のショートニング性とは?

 焼き菓子などに「サクサク」としたもろい食感をあたえる性質のこと

 

油脂のフライング性とは?

 菓子や食材を揚げる性質のこと

 

油脂の安定性とは?

 油脂は、劣化すると「変敗」という現象が起こる。

 変敗を促進させる要素は、「熱」「光」「金属」である。

  ・熱  → 60℃以上になると変敗は促進させる

  ・光  → とくに紫外線に当たると変敗は促進させる

  ・金属 → 全般だが、特に銅が変敗を促進させる

  ※砂糖 → 油脂の変敗を遅らせる

 

製菓・製パンで使用される油脂は?

 主に「バター」「マーガリン」「ショートニング」「サラダ油」の4種類である。

 

バターって、どんな油脂?

 牛乳からクリームを分離させ、脂肪球を集めて練ったもので、

 主に「無塩」「有塩」「発酵」の3種類がある。

 

バターに規定がある?

 「乳等省令」により以下のように規定がある。

  ・乳脂肪分 → 80%以上

  ・水分   → 17%以下

  ※この規定に沿っていない油脂は、バターと表記できない。

 

無塩バターと有塩バターは、なにが違う?

 主に保存性を高めるために食塩を添加している。

  ※重量あたり1~2%添加されている。

 製菓で無塩バターを使用する理由としては、塩味を出さないためである。

 

発酵バターとは?

 バター製造時に「乳酸菌」を添加して、「乳酸発酵」をさせたものである。

  ・発酵バター → 独特な芳香とコクがある

  ・非発酵バター → あっさりとしている

 

バターは、どうやってできる?

 「原料乳」→「遠心分離」→「クリーム」「脱脂乳」→「殺菌」→(「発酵」)→「エイジング」→「チャーニング」→「分離」「バターミルク」→「バター粒」→「水洗」→(「食塩添加」)→「ワーキング」→「バター」

 

いかがだったでしょうか。

油脂=バターと思われがちですが、マーガリン、サラダ油など多種多様な油脂が存在します。お菓子作りに相性の良い油脂もあれば、相性の悪い油脂もあります。油脂の特性を知ることで、お菓子に新しい要素を取り込むことができるので、製菓衛生師を目指す方は、理解必須です!

 

油脂について、何か知りたいことがあればコメントお待ちしております。

ありがとうございました。

 

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