製菓衛生師という資格について考えてみた件

お菓子づくりに製菓衛生師の知識があれば、もっと楽しくなる!!

令和2年度 製菓衛生師試験 製菓理論 解説 【関西広域連合】

ここでは、令和2年度に関西広域連合より実施された製菓衛生師試験について、科目別に私なりの見解で解説をしていきます。

今回は、製菓理論をみていきます。

よろしければ、令和4年度の製菓衛生師試験勉強のお役に立てればと思います。

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【製菓理論】

問37:でん粉に関する記述について、誤っているものを一つ選べ。

 1 一般的に、粒子の大きいでん粉は吸湿性が大きく、粒子の小さいでん粉は吸湿性が小さい傾向がある。

 2 糊化されたでん粉の老化の速度は、水分が30~60%のときが最も速い。

 3 小麦でん粉中、アミロースの割合は約24%であり、とうもろこしでん粉中、アミロペクチンの割合は100%である。

 4 でん粉の膨化力は、主としてアミロペクチンによるところが大きい。

解答:3

解説:アミロペクチンが100%の割合になるでん粉は、頭文字に「糯」と付くものに限ります。代表的なものは、糯米です。

 

問38:鶏卵に関する記述について、誤っているものを一つ選べ。

 1 卵黄の重量比率は、26~33%である。

 2 卵白の約89%は水分で、固形分の約93%はたんぱく質からなっている。

 3 カスタードプリンが固まるのは、卵の熱凝固性によるものである。

 4 卵の乳化力は、卵白のレシチンによるものである。

解答:4

解説:レシチン、卵黄に含まれています。卵白は、卵の起泡性を担っています。

 

問39:小麦粉に関する記述について、正しいものを一つ選べ。

 1 品位別分類では特等粉は、灰分含量が最も多い小麦粉である。

 2 胚芽は小麦粒の約2%を占め、全粒粉に比べてたんぱく質、脂質、ミネラルなどの栄養素が豊富である。

 3 薄力粉は、たんぱく質を11.5~12.5%含み、強力粉に比べて粒度が粗い。

 4 小麦粉の加工適性を左右するのは、主成分であるでん粉の量と質である。

解答:2

解説:1について、特等粉は灰分含量が最も少ない等級です。多いのは、2等粉となります。3について、ここでの説明は強力粉のことになります。薄力粉のたんぱく質は6.5~8.5%となります。4について、でん粉ではなくたんぱく質のことです。

 

問40:米粉に関する記述について、( )に入れるべき字句の正しい組合せを一つ選べ。

( A )を水洗い、乾燥、製粉したものが( B )で、また、水洗い、水漬け、水挽き、乾燥して、( B )より粒子を細かくしたものが( C )である。

   A     B      C

 1 粳米 ― 上用粉 ― 上新粉

 2 糯米 ― 上用粉 ― 上新粉

 3 粳米 ― 上新粉 ― 上用粉

 4 糯米 ― 上新粉 ― 上用粉

解答:3

解説:どちらも粳米が原料となりますが、粒度によって粉の名前が変わるので注意しましょう

 

問41:糖類に関する記述について、誤っているものを一つ選べ。

 1 砂糖濃度の高い溶液ほど微生物の繁殖を抑制する。

 2 我が国では、精製糖のうち上白糖の生産量が一番多い。

 3 粉砂糖は、グラニュー糖や白双糖を粉砕して作るパウダー状の砂糖で、荷重がかかると固まりやすい。

 4 ショ糖に酸を加えたり、酵素を作用させた加水分解のことを乳化という。

解答:4

解説:これは、「転化」という変化になります。

 

問42:でん粉糖に関する記述について、誤っているものを一つ選べ。

 1 ブドウ糖は、常温以下での溶解性は砂糖と同様である。

 2 水飴には、デキストリンによる増粘効果や砂糖の結晶防止効果などがある。

 3 トレハロースは、低甘味度の非還元性糖質である。

 4 ブドウ糖は、たんぱく質アミノ酸と加熱するとメイラード反応を起こす。

解答:1

解説:ブドウ糖は、砂糖よりも溶解性は低くなります。

 

問43:天然甘味料に分類されるものとして、誤っているものを一つ選べ。

 1 甘草

 2 ソーマチン

 3 ステビア

 4 アスパルテーム

解答:4

解説:アスパルテームは、人工甘味料に分類されます。

 

問44:着色料に関する記述について、誤っているものを一つ選べ。

 1 食用タール系色素は、油溶性であり2~10%の溶液として使用する。

 2 アルミニウムレーキ色素は、水にほとんど溶けない。

 3 色素は、金属イオンが共存すると変退色を引き起こしやすい。

 4 天然色素と食用タール系色素の中には、食品添加物として指定されているものもある。

解答:1

解説:食用タール系色素は、水溶性です。

 

問45:香料に関する記述について、正しいものを一つ選べ。

 1 水溶性香料は、耐熱性が高く、高温の加熱処理を行うものに効果がある。

 2 油性香料は、水にはほとんど溶けず油溶性である。

 3 水溶性香料は、そのままではにおいを感じないが、水に溶かすと強くにおいを感じる。

 4 油性香料は、賦形剤に包まれているため、熱や紫外線により変質しない。

解答:2

解説:1について、油溶性香料の説明文です。水溶性香料の効果は、逆になります。3について、粉末香料の説明文です。4について、タブレット型香料の説明文です。

 

問46:クリーム及びバターに関する記述について、正しいものを一つ選べ。

 1 クリームは全乳から脂肪分を集めたもので、一般的に脂肪分10%、水分90%である。

 2 製菓原料としては、通常食塩添加バターを使用する。

 3 バターの香気成分には、ダイアセチルがある。

 4 バターミルクは、バター製造の際の乳清を乾燥粉末化したものである。

解答:3

解説:1について、一般には脂肪分約5%、水分や約65%です。2について、無塩バターを使用します。4について、ホエーパウダーの説明文です。

 

問47:牛乳に関する記述について、誤っているものを一つ選べ。

 1 乳たんぱくのカゼインは、約100℃に加熱することにより凝固する。

 2 主要成分は、たんぱく質、脂肪、乳糖などである。

 3 無機質成分には、カルシウム及びリンが多い。

 4 乳糖は、牛乳特有の甘みの少ない糖質であり、乳固形分の約40%を占める。

解答:1

解説:カゼインは、約100℃に加熱されても凝固しません。

 

問48:油脂に関する記述について、正しいものを一つ選べ。

 1 油脂が小麦粉グルテンの結着を妨げ、製品にサクサクしたもろい食感を与える性質をクリ―ミング性という。

 2 ココアバターは、可塑性範囲の狭い油脂である。

 3 水と油脂が均一分散し、乳化することを油脂のショートニング性という。

 4 ショートニングは、ラードの代替品としてフランスで開発された。

解答:2

解説:1について、ショートニング性の性質のことです。3について、乳化のことです。4について、アメリカで開発されました。

 

問49:凝固材料に関する記述について、誤っているものを一つ選べ。

 1 寒天とゼラチンは、熱可逆性である。

 2 寒天は、テングサなどの成分中のたんぱく質を熱水で抽出したものである。

 3 カラギーナンは、牛乳中のカゼインと反応し、強固なゲルを形成する。

 4 ゼラチンは、牛、豚などの真皮のコラーゲン及び骨の中にあるオセインを分解、精製して作られる。

解答:2

解説:たんぱく質ではなく、炭水化物です。

 

問50:膨張剤に関する記述について、正しいものを一つ選べ。

 1 炭酸水素ナトリウムを多量に使用すると、製品は固くなる傾向がある。

 2 イスパタは、炭酸水素ナトリウムと炭酸水素アンモニウムを混ぜたものである。

 3 ベーキングパウダーには、速効性、中間性、遅効性の3 種類がある。

 4 炭酸水素アンモニウムは、炭酸ガスとアルコールを発生し、分解後は弱アルカリ性を呈する。

解答:3

解説:1について、多量に使用すると製品はダレます。2について、イスパタは炭酸水素ナトリウムと塩化アンモニウムを混ぜたアンモニア系合成膨張剤です。4について、分解後は強いアルカリ性を示します。

 

問51:酒類とその原料に関する組合せで、正しいものを一つ選べ。

 1 蒸留酒 ― ミード ― 蜂蜜

 2 醸造酒 ― ブランデー ― 果実

 3 蒸留酒 ― ビール ― 麦

 4 醸造酒 ― 清酒 ― 米

解答:4

解説:1について、ミードは醸造酒になります。2について、ブランデーは蒸留酒になります。3について、ビールは醸造酒になります。

 

問52:チョコレートに関する記述について、正しいものを一つ選べ。

 1 純チョコレートは、ココアバター以外の脂肪が入っていないため、風味がよい。

 2 テオブロミンは、酸化しやすく空気に触れると有色物質(カカオレッド、カカオブラウン)に変化する。

 3 カカオタンニンは、カカオ豆(乾燥物)中に3.5%程度含まれており、少量のカフェインとともに、チョコレートに特有の刺激的風味を構成している。

 4 口に入れるとすぐ溶ける性質は、ココアパウダーの特徴による。

解答:1

解説:2について、カカオタンニンの説明文になります。3について、テオブロミンの説明文になります。4について、ココアバターカカオバター)の可塑性による特徴です。

 

問53:果実とその種類に関する組合せで、誤っているものを一つ選べ。

 1 種実類(堅果類、穀果類) ― くり、くるみ

 2 核果類 ― みかん、レモン

 3 漿果類 ― ぶどう、いちじく

 4 仁果類 ― りんご、なし

解答:2

解説:準仁果類になります。

 

問54:乳化剤に関する記述について、誤っているものを一つ選べ。

 1 親水性の強い乳化剤は、水中油滴型(O/W)の乳化状態をつくりやすい。

 2 ショ糖脂肪酸エステルは、ショ糖を親水基として脂肪酸エステル結合させたものである。

 3 卵黄レシチンは、大豆レシチンより乳化力がやや弱く、変質しにくい。

 4 グリセリン脂肪酸エステルは、油中水滴型(W/O)の乳化状態をつくるのに適している。

解答:3

解説:卵黄レシチンの方が、乳化力は強く変質しやすいです。

 

 以上が、令和2年度に関西広域連合で実施された製菓衛生師試験の製菓理論の解説です。実際の試験問題は、関西広域連合のHPで公開されています。(リンクは下です。)

 過去問題を繰り返し解いていくことで、出題頻度の高い部分を把握することで、問題が解きやすくなるでしょう。令和4年度の関西広域連合で実施される製菓衛生師試験を受験される方たちに少しでも助けになればと思います。

 

以下のリンクは、試験対策に活用できるかと思います。

関西広域連合HPより】

 以下のファイルは、関西広域連合のHPで公開されている、実際の試験問題と解答になります。

 令和2年度製菓衛生師試験問題【関西広域連合】(pdf:343.0KB)

 令和2年度製菓衛生師試験解答【関西広域連合】(pdf:18.7KB)

【その他、製菓衛生師試験に関すること】

 製菓衛生師試験に関する詳細は、以下のリンクより確認することができます。

seika-riron.hatenablog.com

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